恩田陸「蜜蜂と遠雷」

(幻冬舎)★★★★★

昨年本屋大賞と直木賞をダブル受賞した作品。

浜松国際ピアノコンクールをモデルにした芳ヶ江国際ピアノコンクールという

ピアノコンクールの予選から本選までを描いた小説です。

今まで「のだめカンタービレ」や「ピアノの森」など

漫画でピアノコンクールを描いた作品はありますが、

文章だけでここまでピアノの音色が想像できる作品に出合ったのは初めて。

心理描写、情景描写、登場人物(コンテスタント、審査員)の設定などが素晴らしく、

曲に向かう姿勢や取り組みなど、とても共感できました。

特に「リストのロ短調ソナタ」を復讐劇の果ての悲劇ととらえ、

音楽に合わせて作りあげたストーリーは流石といった感じ。

そして次の文章にはそうそうよくわかってると感心しました。

「曲を仕上げていく作業は家の掃除に似ている。小さな家なら掃除も楽だし、

 そんなに時間も掛からない。短時間で綺麗になるし、

 ちょっとさらうだけでいつも綺麗にしておける。

 しかし大きなお屋敷は掃除もたいへんだ。

 ずっと美しいままに保つには細心の注意が必要だ。」

多くのピアノを弾かない人にもこの作品が素晴らしいと受け入れられたのは、

とても嬉しいです。

「蜜蜂と遠雷」を読んで、もっと多くの人にピアノを弾いたり聴いたりしてみたいと

思ってもらいたいです。

 

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